大人の予防歯科について
歯が痛くなる→異変に気付き歯医者さんへ行く→治療する
の繰り返しでは健康な歯はどんどん少なくなってしまいます。
そこで重要なのが、虫歯や歯周病の原因を作らないこと=虫歯と歯周病をどう防ぐのかということです。
今回は「大人の予防歯科」についてぜひ知っていただきたいと思います!
虫歯や歯周病になりやすい人はどんな人?
あまり知られていないのですが、実は人によって「虫歯や歯周病になりやすい」人と、「虫歯や歯周病になりにくい」人がいるんです。
「なりやすい人」と「なりにくい人」、その違いは何でしょうか?
以下が虫歯になりやすい人に見られる主な特徴です。
※多く当てはまるほど虫歯リスクが高くなります
~虫歯の原因菌の数が少ない~
ミュータンス菌などの虫歯菌は、母親や保護者が主な感染源となって赤ちゃんに感染します。
幼少期に虫歯菌に感染しなかった、もしくは感染しても少なかった場合は、必然的に虫歯になりにくくいのです。
~体質~
唾液の分泌が少ない方や歯(エナメル質)自体が弱い方など、体質が原因で虫歯になりやすい方もいます。
唾液ですが、洗浄作用、抗菌作用、酸の中和作用、再石灰化作用、など、様々な効果があり、唾液の分泌量が多いか少ないかが虫歯の発生・進行と大きく関わっているんです。
~歯並びや噛み合わせ~
歯が重なり合っている部分などは歯ブラシが入りにくく、歯垢がたまりやすくなります。
歯垢の付着は虫歯や歯周病の大きな原因となります。
~歯みがき~
歯をみがきをすることで、歯垢と共に多くの虫歯菌も洗い流されますが、歯をみがく回数が少なく長時間歯垢が付いたままでは歯垢が長時間歯に付着した状態が続きますので虫歯のリスクが高くなります。
~ジュースやお菓子を好む~
虫歯菌は、砂糖などを栄養として粘着性のある細菌の塊(歯垢)を分泌し歯の表面に強力に付着します。
糖分の高いジュースやお菓子を食べたり飲んだりしたまま長時間歯みがきせずにいることは、自ら虫歯菌に栄養を与え、住み心地の良い環境をつくり出してしまっているのと同じです。
~妊娠中の方~
妊娠すると、つわりによる吐き気・気持ち悪さなどから、歯磨きがしっかりとできない状態になることがあります。
さらに、一度に多くの食事をとることが出来ない事も多く、そうなると一日の食事回数が増えるためお口の中の環境が酸性に偏る時間が増え、結果的に虫歯になりやすくなります。
大人の予防歯科のメリット・必要性
虫歯や歯周病は、症状が出てから行くのでは手遅れなのです。
歯は、髪の毛や皮膚と違い、虫歯などの治療で削ったり抜いてしまうと再生することはありません。
虫歯や歯周病で歯を失わないために、大人の方こそ早めに「予防歯科」を始めていただきたいという想いでおります。
今の時点である程度健康な歯を維持できている方や歯周病の進行がない方などはなかなか現実的な事として想像することが難しいかもしれませんが、現在の80歳の方の平均的な歯(自分の歯)の本数は5~6本ほどで、約半数以上の方が80歳で総入れ歯であることが統計として出ています。
こちらを読んでいただくことで、年齢を重ねていった時に、自分の歯が1本でも多く残っている事が身体の健康だけではなく、心の健康にも影響をしてくるということをぜひ知っていただければと思います。
- なぜ、歯と身体・心の健康は関係があるのか ー
虫歯で歯の大部分を削って被せものをしたりするとやはり自分の健康な歯に比べると歯の強度が落ちてしまいますので、硬いものが噛みづらい、噛み切れない、などの影響が出ることがあります。
また、虫歯や歯周病で歯が抜けてしまった、または抜くことになった時に部分入れ歯や総入れ歯にすることのメリットとして…
・硬いものがよく噛めない
・歯茎と入れ歯の間に食べ物が挟まってしまい違和感や痛みがある
・温かいもの、冷たいものの感覚が鈍くなる
・味覚がぼけたような気がする
・同じものを食べていても食感が以前と違う
といった、入れ歯の装着による違和感だけでなく食事の「味」や「食感」といった部分にまで影響し、食事を以前のように楽しんだりすることができなくなったと感じる方もいらっしゃいます。
硬いものを避けて柔らかい食事を選ぶようになる事で、結果的に栄養が偏ると健康的な身体を維持できなくなってしまうリスクもあります。
更に、生活の中で基盤・中心となる「食」を楽しめない状態は心にも良くない状態です。
本当に食べたい物が食べられない…美味しいと感じられない…という生活は想像以上に心(気持ち)にも負担がかかる状態です。
しかし、ご自身の歯が多く残っていることで、しっかりと噛んでおいしく食事をすることが可能になります。
今の時点で気になる部分がないという方もより良い状態を保つことができますので、ぜひ「予防歯科」として定期的に歯医者さんで状態のチェックをしてメンテナンス(クリーニング)を行っていくことをおすすめします。
自分でもできる予防歯科と歯医者さんの予防歯科・クリーニングについて
<自分でもできる予防歯科 その1>
ご自身でできる虫歯予防の基本は、まず「虫歯にならない強い歯をつくること」から初めていただきたいと思っています。
「歯の強さなんて変わる?」と思う方も多いと思いますが、実は “よく噛んで” 食事をすることを意識して実行することで「強い歯」に近づけることが可能なんです。
良く噛んで食べる→唾液が多く分泌される→唾液に含まれるカルシウムやリンが再石灰化を補う(歯を強くする)
というサイクルが出来上がります。
すると、虫歯と呼ぶかどうかも迷うぐらいのほんの初期の虫歯であれば修復されることがあります。
<自分でもできる予防歯科 その2>
プラークコントロール(歯垢を落とし虫歯菌の数を減らしていく)を意識しながら日々歯磨きをしていただくことが大切です。
虫歯菌や歯周病菌を減らすには、歯磨きが最も一般的な方法ですが、歯ブラシをただ左右に動かすだけではなかなかプラーク(歯垢)を取り除けません。
・歯の裏側や凸凹の部分は歯ブラシを縦にして、先端やかかとの部分を使って細かく磨く
・歯ブラシの届きにくい歯の隙間がは歯間ブラシやデンタルフロスを使う
など、歯ブラシの使い方やプラスαのツールを併用することで歯垢除去率が高まります。
<歯科医院での予防歯科・クリーニングについて>
歯科医院での予防歯科・クリーニングの内容は院によっても違いますが、
・歯と歯茎の状態のチェック
・歯石除去
・PMTC(歯のクリーニング・フッ素塗布)
・歯みがき指導
などがほぼ共通している内容です。
ご来院いただいて最初にすることは、お客様のお口の状態を知るための検査です。
まず、歯の状態や虫歯の有無、歯垢の残り具合、歯周ポケットの深さなどを詳しく検査していきます。
~歯科医院で行う歯のクリーニング~(PMTC)
日常の歯磨きだけではどうしても取り除くことのできない、歯の表面に強固に付着したバイオフィルムなどをしっかりと除去するのがPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)です。
プラークやバイオフィルムだけではなく、茶渋やタバコのヤニ汚れも落とすことができ、歯が全体的に白くなり、口臭も抑えられます。
当院では患者様に年3~4回程度 “定期健診” にご来院いただき、歯のチェックとクリーニングを受けていただくことをおすすめしています。
いずれも基本的には痛みのない治療となりますのでご安心ください。
虫歯や歯周病になってからの治療は費用もかかり、痛みを伴うこともあります。
そして年齢を重ねてからもご自分の歯でしっかりと噛んで美味しく食事ができる生活を目指しませんか?
そうであるといいな…と思われる方はぜひ今日から「予防歯科」を始めてみてください。
そしてお気軽に当院へご相談ください!
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